煙感知器、光電式分離型煙感知器では対応できない、空調や排気などの空気の流れがある高天井の屋外、外気が流れる屋外の火災検出にFSDSは活躍します。FSDSは監視カメラの映像に映る火災の炎の放射エネルギー特徴を分析することで火災警報を出力するとともに、希薄な透過性の煙から濃煙までの煙特徴を分析し、舞い上がりから拡散までの動き解析による早期火災警報を出力します。FSDSは、4台の監視カメラの映像を同時に火災監視するものですが、FSDSのネットワーク化により最大64台の映像監視が可能となります。FSDSは火災警報を出力の時刻前後5分間、画像を記録していますので、警報ログと合わせ出力原因の調査が可能です。火災原因の第一位である、放火の出火前後の画像により、事件や事故の把握を速やかにおこなうことも可能となります。
720x480の解像度のライブ映像に濃煙はもとより、透過性煙の存在を輪郭線で描き、その拡散方向も矢印で表示します。小さな火炎からその外接を緑色、黄色、赤色と成長過程を矩形表示。
- 薄煙、透過性煙から濃煙まで煙領域の輪郭を捉え、囲み線の描画
- 煙範囲の移動方向を矢印で表示
4台の監視カメラを同時処理する1台のFSDSを連結することにより、最大64台の監視カメラでの映像監視が可能です。また、電源が確保できなくなる非常時にも、UPS(緊急時電源)により最大30分間は継続動作します。
- 煙を検出してから蓄積時間を経過したとき、火災警報を出力
- 小さな炎(画像面積で32x32ドット以上)を検出し、設定蓄積時間(10秒、20秒、30秒)継続したとき、火災警報を出力
照明変動などの監視空間の環境変動を自動学習はもちろん、警報端子と消火設備を連動させることで、本システムの警報から消火設備を発動させることも可能です。
- 720x480の画面で画面全域で火炎、煙を検出
- 照明変動など監視空間の環境変動を自動学習
- 映像の揺れや視野の隠蔽を自動検出
火災の炎は多量のCO2が発生し、CO2共鳴放射帯(励起状態)はエネルギーを放出することで基底状態に戻ろうとします。このとき放出されるエネルギーは、光や赤外線として放射されます。本システムは映像からこの放射されるエネルギーの時系列変量を捉えるとともに、拡散燃焼の炎の揺らぎを画素単位の速度ベクトルの統計量判断で火災の炎を認識しています。更に、炎領域の熱流動の時系列特徴も捉えて認識精度を高めています。空間に拡散流動する透過性の煙から濃煙の動きは、画素単位の推定速度ベクトルの分析と輪郭特徴及び、平時の環境特徴との差異の判断で煙を捕捉しています。剛体、非剛体運動の識別をしている煙認識のため、人物、車両等の移動物体や照明変動の影響を受けません。